二週間にわたるスペインツアー日記、いかがでしたでしょうか。
田中彬博、初の海外ツアー。
ここには書ききれないほどたくさんのことがあって、
ことばでは言い表せないほどたくさんのことを感じてきました。
そのすこしでも、知ってもらえたら、
感じてもらえたら、嬉しいです。
そしてまた、必ず帰って来たいと思いました。
そのたびに新しい感動があるはずです。
世界に通用するギタリスト。
そうあり続けたいと思います。
「ギター」を手にしてから、僕の世界は変わっていったように思います。
「ギター」が僕を変えてくれた。
「ギター」が僕をここまで連れてきてくれたようにも思うし、
その「ギター」に、僕はもっともっと応えていかなくてはいけない。
そんな風に思います。
空港で、バートと記念撮影!
午前中はリスボンの旧市街を案内してもらいました。
スペインとはまた違った雰囲気のある街並み。
坂が多く、まるで映画「魔女の宅急便」の世界です。
そう、すこししっとりしていてお洒落です。
街を走る黄色い路面電車。
遠くに見える、旧市街。
びっくりするくらい青い空。
この日の空はほんとうにすごかった。
ことばを失うほど、ほんとうに青かった。
建物が白いせい?
おなじ空を日本でも見れるだろうか?
・・はじめてみたかもしれない。
あぁ、鳥になりたい。
そして、坂の上からの街並み。
あっ・・
「魔女の宅急便」にでてきたパン屋さんだ・・
えっ・・ すごい・・。
あぁ、もう、なんて言ったらいいのか。
360度、いまこの、TVや本でしか見なかった世界のなかに
今まさに「飛び込んで」いるあの感覚は、
たぶんずっと忘れないと思う。
夜は、ファドが聴けるレストランへ。
「ファド」は、ポルトガルの伝統音楽。
スペインのフラメンコと違い、もの悲しい、
だけどすこしはげしい歌いまわし。
ろうそくの明かりにてらされるステージで、
おばさんが歌い、おじいさんのギタリストが伴奏します。
悲しい、恋のうた。
きらいじゃないです。
おしゃれです。リスボンで聴いているなら、なんだかそれだけで
しあわせな気分になれます。
スペインも好きですが、ポルトガルだって、とっても素敵。
静かに、おだやかに、夜は更けていくのでした。
あしたは、ついに、帰国の日です。
一晩開けて、今日も田中彬博はポルトガルはリスボンにいます。
「MUSICARIA」2日目です!
今日は新しく、こんな素敵なスケジュール表が
演奏会場に貼られていました!
ラス・ミラーの下に「AKI TANAKA」です!
(スペイン・ポルトガル語では「アキヒロ」と発音できないので、
みんな僕のことを「アキ、アキ」と呼ぶ)
一日中会場に一緒にいるスペイン・ポルトガルのスタッフの人たちとも、
すっかり仲良くなりました☆
スペインの、アレックス、ハビー。
管楽器の調律士、エミリオ。
エミリオ、ラウル。
(二人のサックスと一緒にジャズのセッションをしたりもしました)
スペイン語は話せませんが、英語を話せる人がたくさんいるので、
コミュニケーションは全部英語でしていました。
高校、大学級のつたない英語のアタマをフルに使って、です。
みんな、ほんとうに優しいとおもいました・・。
今日から開催される、イベリア半島最大の楽器ショウ「MUSICARIA」。
ヨーロッパのみならず世界中の楽器メーカーが一同にそろい、
楽器の展示、トッププレイヤーたちのライブで賑わいます。
田中彬博はこのイベントにYAMAHAのアコースティックギタープレイヤーとして
参加することになりました。
YAMAHAのブースで共演するプレイヤー、
アメリカからは、なんといってもドラムスのラス・ミラー。
世界のトップ・ドラマーです。
オランダから、シンセサイザーのバート・スモーレンバーグ。
抜群のユーモアと、それに勝るとも劣らない演奏テクニック。
ライブも演奏とMCで常にお客さんを惹きつけるすごいプレイヤーです。
そしてポルトガルのトップギタリスト、ジョゼ・カルロス。
バリバリハイテクニックのエレキギタリストです。
そんな中に、アコースティックギタリストとして、
ライブをさせてもらうことになって、
・・ほんまにがんばらないと!! という状況です。
ライブは、僕の後にラス・ミラーが出演するような、
ほんとうにすごいスケジュール。
ラス・ミラーとまではぜんぜんいかないけれども、
たくさんの人が熱心に見てくれて、終わった後に声をかけてくれる人がいたり
1ステージ、1ステージがものすごく刺激になる。
自分のライブ以外はもちろんラス・ミラーや、
バートのライブを間近で観戦。
こんな機会、ないです。ふつう。
やっぱり、世界のトップ・プレイヤーの演奏、ライブは違う。
世界一流の「職人性」を感じさせるものが、そこにはあります。
めちゃめちゃかっこいい。
自分も、こうならなあかん。
いつか、こうならなあかん。
1週間のスペインでのツアーを終え、
マドリッドから飛行機で1時間、
ポルトガルのリスボンにやってきました!
スペインとの時差は1時間。
スペインを朝の10:30に出発して、1時間飛行機に乗り、
ポルトガルに着くのが朝の10:30 (!)
時間ってオモシロイ。
ホテルについてTVをつけると、
日本のアニメがやっぱり流れています。
スペインのホテルのTVでは「ポケモン」と「らんま1/2」
をスペイン語で放映していましたが、
スペインでは、「クレヨンしんちゃん」が人気らしいです。
「日本のファミリーの様子がよくわかっておもしろい」とのことです。
「クレヨンしんちゃん」が日本の鏡になっております!
ポルトガルでは「ドラゴンボールGT」と「忍者ハットリくん」が。
・・「忍者ハットリくん」なんて日本でもやってないぞ。
・・ポルトガル語の「ドラゴンボールGT」は、全員の声がか細い。
スペイン語で、ポルトガル語字幕の「忍者ハットリくん」。
・・なんだかもうよくわかりません!
今日はオフの日だったので、部屋でゆっくり。
明日から「MUSICARIA」がはじまります。
楽しみです。
明日からはスペインを離れ、ポルトガルに向かいます!
ポルトガルでは今回のツアーライブのメインといえる
イベリア半島最大の楽器ショウ、
「MUSICARIA」が待っています。
スペインでの一週間。
あぁ、ほんとうに短かったなぁ・・。
言葉のほとんどわからない初めての異国の地で、
ギターをいっしょに連れて行くことができて。
言葉はわからなくても、それでもお互いに分かり合えるものがあります。
スペインの人たちはみんな明るく、友達のように接してくれました。
人と楽器の関係。
誰かと誰かの関係。
「音楽に国境はない」
なんてことがよく言われますが、
ほんとうはそんな次元じゃない。
人と人とのつながりあい。
本場のフラメンコも見れたし。
スペインで新しい曲も生まれたし。
この風。 また必ず来たいなぁ。
その、スペイン最終日、ということで
現地のYAMAHA吉田社長夫妻が
なんと、サッカー観戦に招待してくださいました。
スペイン、マドリッド、サンティアゴ・ベルナベウ。
82000人を収容する、レアル・マドリッドの本拠地
大サッカースタジアムでの観戦です。
しかも、この日はスペインのレアル・マドリッド vs ドイツのブレーメの試合。
チャンピオンズ・リーグの初戦という幸運な日でした。
スタジアムに入った瞬間、全身が圧倒されるほどの地響き。
歓声のまじったざわめき。
サッカー観戦、ウマレテハジメテデス。
またも初めてのサッカー観戦が、
サンティアゴ・ベルナベウのチャンピオン・リーグやなんて。
あぁ、スペインにきて、こんなにいい思いをしていいんやろうか。
レアル・マドリッドは、2-1で勝ちました。ほんとによかった。